発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011060402
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1994年1月~2009年8月に非小細胞肺癌の原発巣を切除した1149例のうち、副腎転移を認めた17例(同時性7例、異時性10例)を対象として、臨床病理学的因子を解析し、副腎切除の妥当性を検討した。副腎切除例は8例、非切除例は9例であり、原発巣の術後、異時性副腎転移を認めるまでの期間は平均9.9ヵ月、副腎の治療から病態の進行までの無増悪期間は平均8.9ヵ月であった。生存に対する解析では、年齢、性別、病理病期、同時性/異時性、副腎転移を認めた際のCEA、リンパ節転移の有無、リンパ節や副腎以外の転移臓器の有無において有意な差はなかったが、2年生存率は副腎切除62.5%、非切除22.2%と切除例で有意に予後良好であった。単発の副腎転移の場合、症例を選択すれば切除により良好な予後を期待できる可能性があると思われた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010