Pancoast型肺癌の手術
選択術式 術前化学放射線療法後に前方アプローチで切除した肺尖部浸潤肺癌
土田 正則
1
,
橋本 毅久
,
篠原 博彦
,
保坂 靖子
,
佐藤 征二郎
,
白戸 亨
,
北原 哲彦
,
林 純一
1新潟大学 呼吸循環外科
キーワード:
Carboplatin
,
Cisplatin
,
胸部X線診断
,
腫瘍多剤併用療法
,
MRI
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
Paclitaxel
,
無病生存
,
ネオアジュバント療法
,
Vinorelbine
,
放射線化学療法
Keyword:
Antineoplastic Combined Chemotherapy Protocols
,
Cisplatin
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Radiography, Thoracic
,
Carboplatin
,
Paclitaxel
,
Disease-Free Survival
,
Neoadjuvant Therapy
,
Chemoradiotherapy
,
Vinorelbine
pp.29-33
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010091380
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症例1:53歳男。1ヵ月続く左肩から上腕の放散痛を認め。X線で左肺尖部に腫瘤を認め、胸部CTおよびMRIで第1肋骨・腕神経叢・鎖骨下動静脈への浸潤が疑われ、肺生検で扁平上皮癌と確定し、T4N0M0の肺尖部浸潤肺癌と診断した。症例2:68歳男性。左肩痛の治療中にX線で左肺尖部の腫瘤を指摘され、肺生検は腺癌の診断で、胸部CTおよびMRI検査で第一肋骨・椎体・腕神経叢・鎖骨下動静脈に浸潤するT4N0M0の肺尖部浸潤肺癌と診断した。2例ともに術前化学放射線療法を行い、腫瘍の縮小を認めた後に手術を施行した。手術は左頸部から胸骨正中切開、第4肋間開胸で前方アプローチによる切除を行った。症例1は上葉切除とND2aを行い、症例2は肺部分切除と共に鎖骨下動脈を切除し、人工血管による再建を行った。2例とも術中の切除断端組織診で悪性所見は認めなかったが、症例2は切除標本の病理診断で壊死組織中に腺癌の残存、鎖骨下動脈に腫瘍浸潤を認めた。術後、症例1は化学療法を追加し、2年経過の現在、無再発で生存中である。症例2は無治療で経過観察としたが、術後3ヵ月に左副腎転移が出現したため切除を、術後13ヵ月に椎体に局所再発したため放射線照射を行い、現在担癌生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010