発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011111352
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89歳男。87歳時に、狭窄型虚血性大腸炎で保存的加療を繰り返していた。今回、腹痛および腹部膨満感が出現し、検査所見で炎症反応の上昇、アシドーシスを認めた。腹部単純X線ではハウストラが消失し、拡張した大腸ガスを認め、造影CTではS状結腸の内腔に内部がlow density、周囲がhigh densityを示す1cm大の楕円形様腫瘤像を認め、これがS状結腸に嵌まり込んでいた。また、腫瘤より口側の結腸に拡張を認めた。狭窄型虚血性大腸炎の狭窄部に何らかの食餌が嵌頓したことによる食餌性イレウスと診断し、緊急手術を施行した。盲腸からS状結腸まで広範囲な結腸の拡張を認め、全結腸に斑状の壊死がみられた。また、S状結腸に狭窄を認め、その内腔にウメ干しの種が嵌頓していた。切除範囲を盲腸から直腸S状結腸部までと決定し、結腸亜全摘、回腸人工肛門造設術を施行した。術後経過は良好で、術後40日に退院となった。
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