発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017300893
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
91歳女。腹痛、嘔吐を主訴とした。腹部単純X線で二ボーを伴う小腸拡張像を認め、腹部単純CTでは回腸末端付近に辺縁がhigh densityで内部がlow densityの楕円形構造物を認めた。問診でウメを誤飲していたことが判明しウメの種子による腸閉塞を疑いイレウス管を留置したが、4日後のイレウス管造影所見で回腸末端付近に陰影欠損像と通過障害を認め、保存的な改善は見込めず手術により約20cm回腸を部分切除した。ウメの種子の嵌頓部位に潰瘍形成と狭窄を認め、病理組織所見で粘膜下層から漿膜側に線維増生、血管壁の肥厚、粘膜筋板や筋層の不規則な肥厚癒合を認めた。患者は20年前に子宮体癌に対する放射線治療の既往があり晩期障害による放射線性腸炎と考えられた。第4病日より経口摂取を開始し、その後回復期リハビリテーション病棟に転棟した。
©Nankodo Co., Ltd., 2017