発行日 2011年1月1日
Published Date 2011/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011111353
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症例1:64歳女。左季肋部痛を主訴とした。腹部造影CTで脾門に石灰化を伴う脾動脈瘤を認め、血管造影では脾下極の支配動脈に長径18.9mmの動脈瘤を認めた。脾門部型の脾動脈瘤と診断して開腹手術を施行し、脾上極の支配血管は動脈瘤を切除しても温存できると判断して動脈瘤切除のみを行い、血行再建は行わなかった。術後13日に脾梗塞を発症したが、術後3ヵ月には梗塞巣は退縮・安定化した。症例2:62歳女。腹部不快感を主訴とした。超音波検査で右後腹膜に腫瘍を認め、血管造影では脾動脈中央部に長径8mmと9mmの脾動脈瘤を2個認めた。右後腹膜腫瘍に合併した脾動脈瘤と診断し、開腹手術を施行した。右後腹膜腫瘍を切除した後、レーザー組織血流計で脾臓の組織血流を測定し、脾臓の温存は可能と判断して動脈瘤を含めた脾動脈部分切除を行った。血行再建は行わなかった。病理組織学的に右後腹膜腫瘤は神経鞘腫であった。術後7日に軽快退院した。
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