発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010155755
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63歳女。下痢、嘔吐が出現し、近医にて抗生物質の内服投与を受けたが軽快せず当院紹介された。血液検査で著明な炎症所見を認め、腹部超音波検査では下行結腸に約10cm長の連続した壁肥厚像を認めた。下部消化管内視鏡検査ではS状結腸に全周性の2型病変を認め、その口側結腸には多発性のびらん、潰瘍がみられた。注腸造影検査で主病巣はS状結腸に約3cm長の全周性狭窄として描出され、更に下行結腸には約10cm長にわたる狭小化した領域がみられた。腹部CTではS状結腸から下行結腸に著明な壁肥厚を認めた。高度炎症の原因はS状結腸癌に伴った閉塞性大腸炎と診断し、絶食、高カロリー輸液管理、抗生物質投与を行い、症状や検査値の改善が得られた後、左半結腸切除術を施行した。術後は順調に経過し、術後14日目に退院となった。
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