発行日 2007年7月1日
Published Date 2007/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007290065
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症例1(75歳女性)。開腹既往はなかった。嘔気ならびに嘔吐を認め、腹部CTでは小腸イレウス像を呈していた。また、イレウス管造影では小腸に腫瘤様欠損像を認め、小腸腫瘍と診断し、開腹手術を施行した。その結果、小腸内に5cm大の異物を認め、問診で数日前に摂取した梨片と判明した。症例2(70歳男性)。胃癌で幽門側胃切除術を受け、術後癒着性イレウスと診断され入院した。腹痛、嘔気を来し、CTでは十二指腸下行脚内に含気性腫瘤像を認めた。小腸内に嵌頓した食塊(胃石)完全除去のため、開腹手術を施行した。症例3(77歳女性)。虫垂切除術、卵巣摘出術の既往があった。腹痛と嘔気を来し、CTでは小腸イレウス像を呈していた。自発痛が強く、緊急手術を施行した。手術所見で小腸内に嵌頓した異物を認め、摘出したところ、数日前に摂取した干芋と判明した。全症例CTで小腸内に含気性腫瘤像として描出されており、胃石に限らず種子や石灰化を含まない食餌による閉塞の場合、有用な所見と考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007