発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009331705
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80歳女。スクリーニング目的で施行したCTで腹腔内腫瘍を認めた。造影CTでは膵下方で腸間膜の脂肪吸収値は上昇し、その部位に5cm大の境界明瞭で均一に造影される腫瘤を認めた。MRIで腫瘍はT1強調像で筋肉と等信号、T2強調像で軽度不均一なやや高信号を示した。腸間膜腫瘍の診断で開腹手術を施行し、腫瘍は空腸間膜起始部に存在し、腫瘍周囲は脂肪変性を起こしていた。腫瘍を摘出し、空腸の血流が良好であることを確認後、腸間膜の欠損部を縫合閉鎖した。腫瘍は卵円形、割面は黄白色調で、病理組織学的には低悪性度のB細胞型悪性リンパ腫で、リンパプラズマ細胞リンパ腫に属すると診断された。術後経過は良好で、術後8日に退院となり、術後1年9ヵ月の現在、無再発で生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009