発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010313478
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33歳女性。患者は繰り返す下痢で潰瘍性大腸炎と診断され、salazosulfapyridine治療が開始された。だが、頻回の下痢と発熱が出現し、大腸内視鏡を行ったところ、S状結腸にびらんが認められ、白血球除去療法とステロイド静注行われるも改善はみられなかった。以後、血便の出現で円形潰瘍が確認され、止血不能なことから腹腔鏡補助下全結腸切除が行われ、小腸人工肛門と直腸粘液瘻が造設された。更に2期手術として回腸嚢肛門吻合と一次的小腸人工肛門が造設されたが、約4ヵ月経過で注腸造影で吻合部狭窄、また大腸内視鏡で回腸嚢粘膜の炎症が認められ、metronidazole錠、salazosulfapyridine坐薬挿肛が開始された。その結果、粘膜面の炎症は改善したものの、吻合部にmucosal bridgeが形成され、狭窄は増悪していた。そのため、内視鏡的バルーン拡張術が行われ、用指的ブジー、ステロイド坐薬で再狭窄を予防し、小腸人工肛門閉鎖術が施工された。
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