症例
腹腔鏡下筋腫核出術(laparoscopic myomectomy)後に発生したparasitic myomaの2例
田邉 康次郎
1
,
早坂 篤
,
石山 美由紀
,
松本 沙知子
,
嶋田 未知
,
大山 喜子
,
赤石 美穂
,
大槻 愛
,
大槻 健郎
1仙台市立病院 産婦人科
キーワード:
MRI
,
超音波診断
,
腸間膜
,
腹腔鏡法
,
腹膜腫瘍
,
平滑筋腫
,
網
,
子宮筋腫核出術
Keyword:
Mesentery
,
Leiomyoma
,
Magnetic Resonance Imaging
,
Laparoscopy
,
Omentum
,
Peritoneal Neoplasms
,
Ultrasonography
,
Uterine Myomectomy
pp.231-238
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2016168499
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症例は47歳と36歳で、いずれも腹腔鏡下筋腫核出術施行時の筋腫回収に電動式モルセレーター(以下A)を使用していた。Aについては米国FDAが2014年4月に、腹腔鏡下子宮全摘術ならびに筋腫核出術時の使用は、潜在する悪性腫瘍を播種させる可能性があるため使用を禁止するよう勧告した。これにより、各施設はAの使用を中止するか、筋腫片が飛散しないよう筋腫回収法を工夫・変更する必要性に追われている。当科ではその工夫として、筋腫を収納したバッグを12mm創部から体外に出し、バッグ内に12mmポートを入れて気腹し、バッグ内でAを使用し回収するという方法を試みている。本法の利点は、筋腫とAが完全に密封された空間の中にあり、腹腔内に僅かな筋腫も飛散させないことである。欠点としては、カメラスコープがバッグ外にあるためバッグ内の様子をクリーンな映像で見られないことが挙げられる。また、筋腫が大きい場合にはバッグ内に十分な空間を確保できないため、本法で筋腫回収が困難なときには、12mm切開創を3cmに延長し、バッグに包んだ筋腫を体外から離断し回収している。
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