発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010292464
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
76歳男。下腹部痛と嘔吐を主訴に受診した。腹部単純X線検査では異常所見は認められなかった。腹部CTを行ったところ盲腸が腹側に偏位しており、その背側に拡張した小腸係蹄が認められた。また、盲腸のやや尾側に拡張小腸と虚脱小腸が認められた。これらの所見から盲腸後窩ヘルニアと診断した。絞扼性イレウス状態ではなかったので、イレウス管による減圧処置ののち腹腔鏡下手術を施行した。腹腔鏡で右下腹部を観察すると盲腸背側に小腸が嵌入しているのが認められ、約15cm嵌入していたが還納は可能であった。還納後、嵌入していた小腸の色調が良好となったため腸切除は行わなかった。術後経過は良好で、2日目から経口摂取を開始し、9日目に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010