発行日 2013年8月1日
Published Date 2013/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013350528
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77歳男性。閉塞性S状結腸癌で、下部消化管内視鏡所見ではS状結腸に粘膜肥厚と2型腫瘍による全周性狭窄が認められた。内視鏡的にて腫瘍部を越えて口側下行結腸に経肛再門的イレウス管を挿入し、適量の洗浄が行われたが排液は不良であった。一方、イレウス管挿入後の腹部X線像では依然として口側結腸の便貯留が認められ、微温湯によるイレウス管の洗浄が行われることで、腹部X線像上、多量の大腸内の便は減少し、減圧良好と判断した。以後、これらの検査から本症例は膀胱浸潤を伴う閉塞性S状結腸が強く疑われ、開腹手術が施行された。下腹部を正中切開にて開腹し、S状結腸切除術および膀胱部分切除術を施行し、更に直腸と結腸の吻合を一期的に再建した。その結果、病理組織学的所見にて本症例はtub2、pSS、int、INF-β、ly3、vl、pN0、Stage IIと診断され、経過良好にて目下は3年経過で再発の徴候はみられていない。
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