発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010107235
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70歳男。左上腹部腫瘤と貧血を主訴とした。鉄欠乏性貧血と便潜血を認め、腹部CTにて左上腹部の左腎腹側に境界明瞭・内部均一で不規則に造影される腫瘤を認めた。MRIではT1強調像で低信号、T2強調像で内部が不均一な高信号を示し、腹腔内間葉系腫瘍の疑いで手術を施行した。腫瘍は回腸腸間膜より発生して回腸を圧排し、さらに腫瘍に接する小腸内腔に有茎性の軟らかい隆起性腫瘤を認めたため、50cmの小腸とともにこれらを一塊に切除した。病理組織学的に小腸間膜腫瘍はデスモイド腫瘍、小腸内腔の腫瘤は炎症性線維性ポリープと診断した。術後経過は良好で22日目に退院し、6ヵ月経過して再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2010