発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010107234
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85歳男。左鼠径部の発赤・腫脹・疼痛を主訴とした。7ヵ月前にポリプロピレンメッシュを用いたヘルニア根治術の既往ある。左鼠径部にCTにてlow density、超音波検査にて低エコーの腫瘤を認め、左鼠径部ヘルニア手術部位における膿瘍形成と診断し切開ドレナージ術を施行した。膿から黄色ブドウ球菌を認め抗生物質投与とともに連日の洗浄を行ったが、1ヵ月間治癒しなかったためメッシュ摘出術を施行した。メッシュプラグ周囲は肉芽組織や瘢痕組織の形成が著明で周囲組織と強く癒着していたため開腹手術へ移行し、メッシュを可及的に摘出後、後壁補強は行わず吸収糸を用いて閉腹した。術後20日目に軽快退院し、1年経過現在ヘルニアの再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2010