発行日 2016年11月1日
Published Date 2016/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2017032243
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21歳女。腹部膨隆を主訴とした。臍上に手拳大の弾性軟、可動性良好な腫瘤を触知し、上部消化管内視鏡検査では胃体下部に粘膜下腫瘍を認めた。腹部造影CT・PET-CTでは胃角部大彎側に接し、境界明瞭で淡く造影される5.5cm大の腫瘤を認め、FDG集積亢進を認め、上腸間膜動脈より供血されていた。腸間膜原発のデスモイド腫瘍を疑い、手術により胃壁・横行結腸間膜および空腸の一部を合併切除し、摘出した。病理組織学的に腫瘍内には束状の紡錘形細胞の増生を認め、核異型や核分裂像には乏しく、免疫染色ではβ-catenin弱陽性、α-SMAおよびデスミン一部陽性であり、腸間膜原発デスモイド腫瘍と診断した。術後はおおむね経過良好で第16日目に退院し、4年9ヵ月経過して無再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2016