発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2010107236
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40歳女。交通事故後意識レベルが低下し救急搬送された。CTでは肝が区域性に挫滅断裂し、複雑型深在性損傷IIIb型の診断で、尾状葉温存拡大右葉切除とperihepatic packingを施行した。術後黄疸と胆汁漏が持続したため内視鏡的逆行性胆管造影(ERC)および内視鏡的乳頭括約筋切開術を施行したが、胆汁漏の部位は特定できなかった。CTにてB3とB2の拡張を認め、B3からの経皮経肝胆道ドレナージ造影およびERCによりB2とB3合流部付近での狭窄をきたしたB2からの離断型胆汁漏と考えられたが、B2ドレナージは不成功であった。受傷後9ヵ月に肝の再生をうながす栄養法を開始した結果、総ビリルビン値は16.79mg/dlから6.72mg/dlまで改善し、その後経皮経肝胆道鏡検査とERCを併用して腸管との内瘻化が施行され、総ビリルビン値は1.52mg/dlに改善した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010