発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009331703
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61歳女。左腋窩に不整形、弾性硬、可動性のある腫瘤を触知し、マンモグラフィーでは乳腺から離れた左腋窩の部分に分葉状、一部境界不明瞭な高濃度の腫瘤を認め、内部から外へ広がる線状の微小石灰化像がみられた。MRIでは左腋窩に不整形の腫瘤を認め、腫瘤の下部はスピキュラの索状影を伴い造影で早期に染まった。穿刺吸引細胞診、針生検所見はともに陰性であったが、画像所見より悪性を疑い外科的生検を行った。病理組織検査では浸潤性乳管癌、乳頭腺管癌であり、周囲に正常の乳腺組織がみられ、正常の乳腺と離れて存在することから左腋窩に発生した副乳癌と診断した。局所広範囲切除術および腋窩リンパ節郭清術(Level II)を施行し、術後は患者が閉経後でエストロゲン受容体陽性であったため、toremifen citrateおよびdoxifluridineを投与した。経過は良好で、術後2年10ヵ月の現在、無再発で生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009