発行日 2013年3月1日
Published Date 2013/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013191398
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44歳女。右腋窩痛を主訴とした。超音波検査で右腋窩に14.9mm大の境界明瞭・辺縁整な内部均一の低エコー腫瘤像を認め、造影MRマンモグラフィで右腋窩に軽度造影効果を呈する境界明瞭・辺縁整な腫瘤像を認めた。穿刺吸引細胞診を行ったところ、異型の乏しい上皮性細胞の集塊を認めた。背景にリンパ球は認めなかった。また、腺上皮細胞と筋上皮細胞との二層性が保たれていた。免疫組織化学染色ではCK7とGCDFP15が陽性、CK20とTTF-1が陰性であったことから、乳腺上皮由来の細胞と考えられた。増大傾向を認めたため腫瘍性病変を否定できず、診断的治療目的で右腋窩腫瘤摘出術を行った。病理組織検査では間質の線維成分の過剰増生と間隙様の細長い管腔を認めた。管腔の腺上皮と筋上皮の二層性は保たれていた。異型細胞の存在は認めなかった。以上より、副乳原発線維腺腫と診断した。術後経過は良好で、術後2年の現在、再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2013