発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011034208
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45歳女性。患者は2週間前から左乳房内側に有痛性の腫瘤を自覚し来院となった。超音波検査では左乳房に境界が比較的明瞭で内部ほぼ均一な1.9×1.8×2.1cm大、低エコー性の不整な腫瘍像が認められた。また、マンモグラフィでは左乳房に2.6×2.0cm大の境界明瞭で比較的高濃度の腫瘤像がみられた。更にMRIでは腫瘤はT1・T2強調像とも低信号を示し、穿刺吸引細胞診では核異型が高度で細胞分裂像もみられる、Class Vであった。以上より、本症例はT2N0M0、Stage IIAの左乳癌と診断され、乳房温存手術が施行された結果、肉眼病理所見では2.5×2.3cmの境界明瞭な充実性腫瘤であった。一方、切除標本の病理組織学的所見では破骨細胞様巨細胞を伴う浸潤性乳管癌、ly(-)、v(+)、Grade 1、HER2(2+)、ER(+)、PgR(+)、n(0/16)であった。尚、術後は残存乳房に放射線療法が施行され、目下、手術から1年4ヵ月経過で再発は認められていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2010