発行日 2009年8月1日
Published Date 2009/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009328908
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
23歳男。患者は大量飲酒後の心窩部痛を主訴とした。入院時CTで急性膵炎と診断され、保存的治療で軽快したものの、経口摂取開始2日後の第26病日目イレウスとなり、大腸狭窄が疑われた。大腸内視鏡では腸管粘膜は全体に浮腫状で管腔は狭小化していたが、スコープは狭小部を通過した。また、粘膜内に腫瘍性病変は認められなかった。イレウスは保存的に軽快したものの、第45病日目には再イレウスとなった。注腸造影では下行結腸に25mmにわたって狭窄を認め、6週間保存的に加療したが改善しなかった。膵炎による結腸狭窄と診断され、第72病日目に開腹術が施行されたところ、術中所見では脾結腸間膜が肥厚し、結腸を狭窄していた。更に高度の滲出液がみられ、炎症の影響による脂肪組織の顕化が認められた。下行結腸を後腹膜から剥離することは困難と判断し、横行結腸-S状結腸バイパス術を施行した結果、術後は経過は良好となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009