発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009154665
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59歳女。左下腹部腫瘤に気づき、CTで非上皮性腫瘍を疑われた。腹部平坦、軟で左下腹部に約4cm大の腫瘤を触知し、圧痛は認めなかった。CRP軽度上昇を認めたが肝機能、腎機能は異常なかった。腹部CTで左下腹壁に不均一に造影される不整形の腫瘤を認めた。腹部MRIでは同部にT1強調画像で低信号、T2強調画像で周辺低信号、中心高信号を呈し不均一に造影される腫瘤を認めた。炎症性肉芽腫疾患が第一に考えられたが、非上皮性悪性腫瘍も否定できず手術を施行した。腫瘤は大網、左腹横筋、左内腹斜筋、左腸骨筋に一部浸潤を認めた。悪性腫瘍も否定できず腫瘤を切除した。白色の硬い充実性で中心に壊死、膿汁を認めた。病理組織所見は孤立性腫瘍性病変で膿瘍内に放線菌塊を多数認め、Gram染色・PAS染色陽性で、放線菌症と診断した。術後経過は良好で14日目に退院し再発を認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009