発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009154667
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57歳男。S状結腸癌術後、定期的にフォローを行っていたが、CTで右骨盤内に腫瘍を認めた。境界明瞭な径約7cmの卵形の腫瘍で、腫瘍は単発で周囲のリンパ節腫大、腹水は認めなかった。MRIでは内部に一部壊死したような像が得られた。血管造影では右内腸骨動脈からの流入血管を認め、腫瘍濃染像がみられた。増大傾向をもつ右骨盤腫瘍に対し、神経鞘腫、直腸由来の胃腸腫瘍など原発性骨盤腫瘍や大腸癌のリンパ節転移を疑い手術した。腫瘍は線維性被膜に覆われ、核異型の顕著な形質細胞への分化傾向がみられる腫瘍細胞の瀰漫性増殖からなっていた。免疫染色では形質細胞の表面マーカーであるCD79aやIgGが陽性で、形質細胞腫と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009