発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009099207
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61歳女。患者は59歳時に境界型糖尿病を指摘された。内視鏡的逆行性膵管造影所見等により膵体部分枝型膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)と診断され、尾側膵切除が行われた。しかし、術後約3年目に膵鉤部に径1cm大の病変が出現し、残膵再発と診断されたが家庭の都合により手術の同意が得られなかった。その後も病変は徐々に増大して径3cm大となり、初回手術から約6年後に残膵切除が施行された。病理組織所見により膵鉤分枝膵管から発生したIPMN由来の浸潤癌と診断されたが、前回の病変とは連続性がなく、異時性多発性に発生したと考えられた。以後、術後から約8ヵ月経過でCTを行ったところ腹腔動脈から総肝動脈、上腸間膜動脈にかけて周囲軟部陰影の増強が認められ、局所再発と診断された。そこで、gemcitabineによる全身化学療法を施行した結果、約2年が経過現在、再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2009