再発・二次肺癌の外科療法
外科治療成績 再発・異時性多発癌の診断で再切除術を施行した症例の検討
雪上 晴弘
1
,
棚橋 雅幸
,
羽田 裕司
,
鈴木 恵理子
,
吉井 直子
,
丹羽 宏
1聖隷福祉事業団総合病院聖隷三方原病院 呼吸器センター外科
キーワード:
再手術
,
腫瘍再発
,
生存率
,
腺癌
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
扁平上皮癌
,
失血-外科
,
腫瘍-第二原発
,
腺扁平上皮癌
,
後向き研究
,
大細胞癌
,
治療成績
,
Kaplan-Meier法
,
手術時間
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Lung Neoplasms
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Pneumonectomy
,
Retrospective Studies
,
Reoperation
,
Survival Rate
,
Blood Loss, Surgical
,
Treatment Outcome
,
Carcinoma, Adenosquamous
,
Neoplasms, Second Primary
,
Carcinoma, Large Cell
,
Kaplan-Meier Estimate
,
Operative Time
pp.944-949
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011042621
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肺癌治癒切除後に出現した孤立性肺腫瘤に対し、単発性の肺転移、あるいは異時性多発癌の診断で再手術を施行した39症例(再切除時の平均年齢67.8歳)について、後方視的に検討した。1)病理病期はIA期15例、IB期11例、IIA期1例、IIB期2例、IIIA期5例、IIIB期5例であった。2)初回切除時と再切除時において手術時間、出血量の差はなかったが、再手術時の手術時間は同側例が対側例よりも有意に長く、出血量も同側例で有意に多かった。3)術後病理診断による鑑別では肺転移18例、異時性多発癌21例であった。4)全体の5年生存率は69.4%で、肺転移と異時性多発癌との間に有意差はなかった。5)異時性多発癌例のうち、pI期例は全例で生存が認められたが、pN2例の3例は全例で再発していた。以上より、肺癌術後の孤立性肺内病変に対しては、基本的には肺多発癌として治癒を目指した治療の可能性を検討するべきであると示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2010