発行日 2006年2月1日
Published Date 2006/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006128230
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72歳男.1990年10月に右肺腺癌で右上葉切除+胸壁合併切除+縦隔リンパ節郭清を行い,術後の経過観察を受けていたところ,1992年2月に左肺癌にて左下葉切除+縦隔リンパ節郭清を行い,2000年12月に左耳下腺転移により左耳下腺摘出+放射線照射を行い,2002年7月には血中CEAが高値を示し入院となった.全身状態は良好で身体的異常は認めなかったが,血中CEAは473ng/mlと高値であった.胸部・腹部・頭部の造影CTにて多数の転移を認め,左副腎腫瘍を摘出したところ左肺癌(乳頭型腺癌)と類似した組織像を認めた.化学療法及び放射線療法(ガンマナイフ)を繰り返すも左下葉切除から5年5ヵ月後,左副腎摘出後1年11ヵ月後の2004年7月に死亡した.非小細胞肺癌の手術後に複数臓器に転移する場合でも副腎転移に対する副腎摘出は生存期間が延長する可能性があり,個々の症例に応じて適応を検討すべきであると考えられた
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