発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2012270916
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症例は62歳男性で、50歳時、脂肪肝の精査で膵に1cm大の単房性嚢胞性病変を指摘され、12年間の経過観察で増大傾向を認めて紹介受診した。造影CTで膵体部に40mm大の多房性嚢胞性病変と膵体尾部の萎縮を認め、内視鏡的膵胆管造影で乳頭部からの粘液排出、膵体部に3~10mm大の不整な陰影欠損、主膵管の拡張が認められた。超音波内視鏡(EUS)で膵体部に45×30mm大で一部壁肥厚を伴う多房性嚢胞腫瘍を認め、MR胆管膵管造影(MRCP)で膵体部に10~20mmの嚢胞結節の集簇からなる40mmの多房性嚢胞腫瘍が認められた。膵体部の膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)主膵管型と診断し、膵体尾部切除術を行った。病理診断は非浸潤型IPMNであった。術後5年経過の造影CTで残膵頭に42mm大の嚢胞性腫瘤、EUSで嚢胞性腫瘤内に多数の壁在結節、MRCPで主膵管の拡張と内部に陰影欠損を認め、残膵全摘術を行った。病理診断は非浸潤型IPMNであった。現在再発や多臓器癌の合併は認めていない。
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