発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009037045
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50歳女性。患者は自転車のサドルで臀部を打撲後、下腹部~肛門部痛が増強し、腹部骨盤部造影CTにて直腸周囲血腫の疑いで入院となった。所見では骨盤部造影CTにて仙骨前面やや右寄りに直腸を左前方に強く圧排する嚢胞性病変が認められ、嚢胞内部にはhigh density areaがみられた。一方、骨盤部MRIでは嚢胞内はT1強調画像でhigh intensity、T2強調画像でlow intensityを呈していた。また、腫瘍マーカーではCA19-9の著明な上昇がみられた。以上より、本症例はtailgut cystの外傷性破裂と診断され、嚢胞全摘術が行なわれた。術中迅速病理検査では悪性所見を認めず、術後病理組織所見にてtailgut cystと確定診断された。以後、肛門部~下腹部痛は消失し、血清CA19-9値も術後48日目に正常化した。術後8ヵ月現在、再発はみられていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2008