発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008196513
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58歳男。主訴は胃部不快感であった。血清CA19-9値は3216U/mlと高値を示し、上部消化管内視鏡では胃前庭部を中心にほぼ全周性の3型腫瘍を認めた。生検結果はmucinous adenocarcinomaであり、幽門側胃切除+D2リンパ節郭清術を行った。病理組織像は非充実型低分化腺癌であり高度のリンパ管内侵襲を呈し、免疫染色で癌細胞はCA19-9陽性であった。術後1ヵ月目に血清CA19-9値は751U/mlまで低下しTS-1療法を開始したが、術後4ヵ月目には15298U/mlまで上昇し、2nd lineとしてTS-1にpaclitaxelを追加投与した。術後7ヵ月目に閉塞性黄疸を認め、以後は緩和ケアを行い術後9ヵ月目に死亡した。血清CA19-9値の推移は病勢の把握に有用であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008