発行日 2008年12月1日
Published Date 2008/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009067970
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
70歳男性。患者は集団検診の上部消化管造影検査で十二指腸に隆起性病変を指摘され、著者らの施設へ受診となった。内視鏡では十二指腸下行部のVater乳頭よりやや口側に広基性の脳回状の隆起性病変が認められ、表面は白色、細顆粒状で軟らかく中央に浅い陥凹があり、肛門側の腫瘍の裏に副乳頭を認めた。一方、十二指腸造影では十二指腸下行部の傍乳頭憩室のやや口側に、境界明瞭で中心に浅い陥凹のある長径4cmの隆起性病変がみられ、CTでは十二指腸下行部に造影で濃染される隆起性病変を認め、MRCPでは中心に陥凹のある顆粒状分葉の内視鏡像を呈していた。以上より、開腹手術を行ない、副乳頭を温存して腫瘍を切除したところ、病理所見では腫瘍は粘膜内に限局した中等度異型を有する腺管絨毛腺腫で、癌の合併は認めず、切除断端は陰性であった。術後は経過良好で、患者は第20病日目に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008