発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009016675
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
49歳女性。患者は腹痛、嘔気、嘔吐を主訴に、腹部X線にて腸閉塞と診断され、精査入院となった。腹部造影CTでは上行結腸内に径約3cmの腫瘍が認められ、その口側に向かって腸間膜の引き込み像があり、腸重積症と診断された。MRIでは先進部の腫瘍はT1、T2ともに低信号で、線維成分に富む病変であることが推測された。絶食にて腸閉塞症状は改善したが、大腸内視鏡や血管造影で腸重積先進部の確定診断には至らず、小腸腫瘍による成人回盲部腸重積を考え、手術が行なわれた。手術所見では上行結腸に腫瘍を先進部として回腸が順行性に重積しており、この重積を整復後、回盲部切除を行った。その結果、病理組織学的に回腸inflammatory fibroid polypで、術後は経過良好であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008