発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2009016676
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79歳男性。患者は血便を主訴に、精査の結果、S状結腸癌と診断され、S状結腸切除およびD3リンパ節郭清が施行された。病理組織学的に45×42mmの2型病変で中分化腺癌であったが、その後、11ヵ月経過で隆起型の吻合部再発を来し、腸管切除およびsingle stapling techniqueによる吻合が行なわれた。術後はUFT、l-LVによる化学療法を開始したものの、嘔気や食欲低下などの副作用のため継続を中止、再手術後6ヵ月目に吻合部の再再発を認めた。腫瘍は小腸間膜、膀胱、後腹膜に浸潤ており、小腸間膜には腹膜播種がみられた。そのため、Hartmann手術が行なわれた。そして術後、化学療法を行なう予定であったが、患者が希望せず、1年後に断端再発をはじめ多発肝転移、肺転移を認め、最終的に患者は死亡となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008