発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006034901
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70歳男性.患者は腹痛および腹満感で近医を受診,結腸閉塞を認め,大腸癌疑いで紹介入院となった.大腸造影では内腔に突出する腫瘤性病変により結腸肝彎曲部で閉塞し,口側への造影剤流入は認めず,内視鏡では閉塞部に表面不整,暗褐色の一部汚い白苔で覆われた隆起性病変を認め,生検で壊死,滲出物の一部に大型リンパ球の集簇を認めた.更にCTでは上行結腸壁は全周性に肥厚し,腸管内腔の狭窄を認めた.上行結腸腫瘍による腸閉塞と診断し開腹手術を行ったところ,回腸末端が上行結腸へ重積し,用手的整復で回腸末端に大きな腫瘤を触知した.回盲部からTreitz靱帯までの小腸内腔にも扁平,平坦な腫瘤性病変を多数触知し,回盲部から上腸間膜動脈根部付近にかけて腫大したリンパ節を認め,右半結腸切除術を行った.尚,病理診断はdiffuse large B-cell lymphomaであった
©Nankodo Co., Ltd., 2005