発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2007038507
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症例は47歳の男性で、約7ヵ月前に交通事故による外傷性小腸穿孔による手術既往があり、腹痛と嘔吐により近医より紹介された。腹部は軽度膨満していたが、腹膜刺激症状はなかった。血液検査では軽度の炎症所見を認め、腹部X線でニボーの形成を認め、腹部超音波検査にて小腸の拡張と腸重積を認めた。腹部CTにて腸重積領域に腫瘍を認めた。小腸充実性腫瘤を先進部とする腸重積症との診断で開腹手術を行った。回腸末端から140cm口側に腸重積を認め、それを解除した後に腫瘍を含めて小腸部分切除を施行した。病理組織学的に炎症性繊維性ポリープと診断した。術後経過は良好で、術後14日目に軽快退院した。交通事故による外傷性小腸穿孔を受傷した際に生じた炎症が残存し、それにより発生したポリープであったと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2006