発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011002904
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72歳女性。患者は右上腹部痛、腹部腫瘤を主訴に、腹部CTにて腸重積症の診断で入院となった。所見では血液生化学検査では軽度の炎症所見以外に異常はみられなかったが、腹部CTでは層状構造をもつ腫瘤陰影が描出され、pseudo-kidney signを呈していた。腸重積症の原因検索を先行されるため待機手術としたが、入院翌日に間欠的な腹痛が増強し、血液検査でCPKの上昇が認められたため、緊急手術が施行された。手術所見では盲腸から上行結腸全体が後腹膜に固定されておらず、また盲腸を先進部として横行結腸中央部まで重積がみられた。そこで整復後、回盲部分切除術が行われた結果、臨床所見や病理組織学所見より、本症例は回盲部型の成人特発性腸重積症と診断された。尚、術後経過は良好であった。
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