発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003308844
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症例1(31歳男),症例2(81歳女).両例とも大量下血を主訴とした.一般検査では貧血のみを認め,内視鏡検査では確診を得なかった.小腸出血を疑い,腹部血管造影検査を施行し,動脈相に腫瘍濃染像を認めた.症例1は空腸原発腫瘍と診断し空腸楔状切除を行った.腫瘍は異型のない紡錘型細胞よりなりS-100,CD34陽性,SMA陰性で神経への分化を示す良性のgastrointestinal stromal tumor(GIST)と診断された.症例2は血管外漏出像が得られ,循環動態を安定させた上で小腸腫瘍の診断にて空腸部分切除を行った.腫瘍は異型のない紡錘型細胞よりなりS-100,SMA陽性,CD34陰性で平滑筋と神経への分化を示す良性のGISTと診断された.両例とも他への転移や浸潤はみられず,術後経過は良好で再発転移は認めていない.腹部血管造影は検査と同時に緊急処置を行えるため有用であった
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