発行日 2008年8月1日
Published Date 2008/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008300520
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52歳男。強い上腹部痛で近医を受診した。強い上腹部痛に加えて腹部が板状硬であったこと、十二指腸潰瘍の既往があったことから穿孔性十二指腸潰瘍の診断で紹介入院した。画像検査では、胸部立位単純X線像で腹腔内遊離ガスは認めず、腹部X線像では非特異的な小腸ガス像のみであった。画像検査にて消化管穿孔を示唆する所見は得られなかったが、上部消化管穿孔を疑って緊急開腹手術を施行した。術後も確定診断にいたらなかったが、アルコール性の急性膵炎を念頭において保存治療を行った。術後6日目、ショックを呈し、呼吸不全の状態であった。腹腔内感染症による敗血症とabdominal compartment syndromeおよびこれに伴う多臓器不全の状態と判断し、再開腹術を施行した。再手術から4日目に再々手術を行った。リハビリを行い第39病日に軽快退院した。
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