発行日 2013年7月1日
Published Date 2013/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2013367596
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79歳男。十二指腸gastrointestinal stromal tumorに対して膵温存十二指腸切除術を施行し、術後3年6ヵ月再発なく経過していたが、今回、腹部にしこりが出現した。MRIで肝および腹腔内播種再発と診断し、imatinib mesilate(imatinib) 400mg/日投与を開始したところ、約3週後にGrade 2~3の全身性紅斑と落屑を認め、imatinibを休薬して支持療法としてステロイド内服と外用治療を行った。約2週間で皮膚症状は改善し、imatinibを300mg/日から再開する予定であったが、患者の強い希望により100mg/日からの再開とした。自覚症状は劇的に改善し、その後2年間100mg/日で長期間の画像上のSDを維持している。遺伝子変異検索では、c-kit遺伝子エキソン11のコドン560、566に点突然変異を認め、その他には血小板由来成長因子を含め異常を認めなかった。imatinibの血中濃度測定を100mg/日の連日内服投与開始から約2年後に行ったところ、内服後約3時間の採血で血中濃度は177ng/mlと低値であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2013