発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2006105270
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56歳男.左側腹部の徐々に増大する腫瘤を主訴とした.左側腹部に,10×7×4cm大の表面に毛細血管拡張を伴う分葉状の隆起性軟部腫瘤を認めた.腫瘤は,MRI T1強調画像では周囲と境界明瞭で,内部は筋肉と同等~低信号を呈した.T2強調画像では分葉構造を示し,全体的に高信号,一部に強い高信号領域を呈した.造影MRIでは正中側の分葉構造と隔壁の一部に造影効果を認めた.生検では,造影効果を認めた部分には細胞密度が高いところもあったが,組織像はT2強調画像で高輝度を示した部分とほぼ同一で,皮下の小型紡錘形細胞は花むしろ様構築を示した.隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)と診断し,広範切除術を行った.腫瘍は二つの組織像からなり,storiform patternを呈するDFSP部分と,DFSP部から徐々に進行する杉綾模様構築を示す線維肉腫様(FS)部分を有した.CD34は,DFSP部が陽性,FS部が弱陽性であった.術後4ヵ月が経過したが,再発転移は認められない
©Nankodo Co., Ltd., 2006