発行日 2008年5月1日
Published Date 2008/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2008196510
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標記の8例(全例男、平均年齢69.38歳)について臨床的検討を行った。8例中7例はすでに肺癌の確定診断が得られ、残りの1例は腹痛・腹満感を主訴とし胸部X線像にてはじめて肺癌を指摘された症例であったが、全例に対して予後不良であることを含めたインフォームド・コンセントが行われた。肉眼的に切除可能であったのは限局腫瘍の3例のみであった。小腸転移をきたした肺癌の病理組織は、扁平上皮癌3例、多形または肉腫様要素を含んだ癌2例、大細胞癌2例、腺癌1例であった。術後退院までいたった症例は3例、術後100日以上生存が得られた症例は1例ときわめて予後不良であった。肺癌小腸転移は予後不良の状態であり、外科治療の必要性を十分議論し、内科・外科が協力した集学的、全人的医療を施すべきであると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008