発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2004234813
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原発性肺癌術後,腫瘍マーカーが一過性に上昇し,無治療のまま正常値に復した8症例を検討した.マーカー上昇の約1ヵ月前に炎症性疾患の併発がみられた5例では,症状消失とともに腫瘍マーカーも正常に復し,最終確認日において再発・転移を認めなかった.一方,マーカー上昇時に炎症性疾患の併存を認めなかった3例では,自然にマーカーは正常値に復し,マーカー上昇時から1年以内に画像で再発・転移を指摘された.原発性肺癌術後の経過観察中,これまで正常であった血中腫瘍マーカーが一時的に上昇し,さらに陰性化した症例に炎症性疾患の併存を認めない場合には,1年以内に画像上再発・転移を認める可能性がある.しかし,再発・転移を確認したときにはすでにマーカーが陰性化している可能性があり,注意を要するものと思われた
©Nankodo Co., Ltd., 2004