発行日 2006年9月1日
Published Date 2006/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006321774
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60歳女.患者は以前から食後に腹痛があったが放置していた.しかし今回,それまでに経験のない激痛が突然出現し,これが持続するため受診となった.所見では,腹部は平坦であったが板状硬の状態であった.CTでは上腹部中心にfree airと少量の腹水を認め,胆嚢に内部の石灰化と全周性の壁肥厚を認めた.上部消化管穿孔による汎発性腹膜炎と胆石症・慢性胆嚢炎を疑い,腹腔鏡下に緊急手術を施行したところ,術中,上部消化管内視鏡(GIF)で胃体部小彎前壁にA1 stageの潰瘍を認め,良性の消化性潰瘍による穿孔と判断して穿孔部の縫縮と大網被覆を行った.術後,経過は良好で,術後7日目に確認のGIFを施行したところ,穿孔部の潰瘍性病変はH1 stageとなっており,生検の結果3型の進行胃癌と診断された.以後,22日目には胃摘術,D2リンパ節郭清を施行し,Roux-en-Y法にて再建された
©Nankodo Co., Ltd., 2006