発行日 2005年5月1日
Published Date 2005/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2005191731
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88歳女.主訴は身体浮遊感,嘔吐.腹部・骨盤部造影CT所見にて肝周囲・Douglas窩などに中等量腹水貯留があり.骨盤腔内を中心にして腹腔内全体の脂肪組織濃度が上昇しており,汎発性腹膜炎が疑われた.子宮内腔は著明に拡張しており,両側胸水と心嚢水貯留も伴っていた.虫垂穿孔などの消化管穿孔による汎発性腹膜炎を疑い,緊急開腹術を施行した.子宮は手拳大に腫脹し,子宮底部に1ヶ所膿苔の付着した部分を認め,明らかに子宮壁の菲薄化を来たしていた.以上より,子宮留膿腫穿孔による汎発性腹膜炎と診断した.高齢であることなどから過大な手術侵襲を避け,腹腔内洗浄ドレナージ,経腟的子宮洗浄ドレナージ,子宮頸管拡張術を施行した.術後11日目に子宮留膿腫の再発を認め,抗生物質投与,経腟的子宮洗浄ドレナージ及び子宮頸管拡張術施行で軽快し,術後26日目に退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2005