発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004211693
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20歳女.下腹部痛を主訴とした.便秘,肛門部痛と帯下の増加に次いで腹痛の増悪と発熱がみられた.受診時,両下腹部痛と圧痛があり,Blumberg's sign陽性,WBC,CRPは上昇し,検尿では潜血(±),白血球(3+),細菌(+)であった.腹部CTにて虫垂の中等度肥大,回腸壁の肥厚と骨盤腔内の腹水貯留を認め,急性虫垂炎穿孔を危惧して緊急手術となった.開腹時,虫垂は肥大していたが穿孔はなく,両側の卵管から卵管采は発赤腫大して一部卵管から排膿を認めた.両側付属器および卵管破裂を伴う骨盤腹膜炎と診断して虫垂切除術と洗浄を行い,術中所見からChlamydia感染または細菌との混合感染と判断してcefotiam,minocycline,levofloxacinを投与した.術前の子宮頸管分泌物のDNA検査(PCR法)にてC.trachomatis(Ct)陽性,血中Ct抗体はIgG(+),IgA(-)であり,切除虫垂の組織所見はPeriappendicitisであった.術後は順調に経過し,退院後にChlamydiaの除菌を行った
©Nankodo Co., Ltd., 2004