発行日 2004年5月1日
Published Date 2004/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004211691
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49歳男.右上腹部痛,嘔吐,下痢を主訴とした.半年前に主訴が出現し,下部消化管内視鏡検査にて回腸末端部の全周性狭窄を認めた.今回,腹部膨満感と右下腹部痛の増強を訴えて受診し,触診にて右下腹部に著明な圧痛と反跳痛を伴う腫瘤を認めた.入院時,WBC,CRP,可溶性IL-2レセプター高値,単純X線,腹部CTにて右横隔膜下のfree airと回盲部の腫瘤を認め,消化管穿孔による腹膜炎と診断した.開腹時,便臭を伴う混濁した腹水があり,回盲末端部に可動性良好で白苔付着を伴う大網が癒着した腫瘤を認め,2群リンパ節郭清を伴う回盲部分切除,腹腔洗浄ドレナージを行った.9.2×7.2cm大の腫瘤にはpin hole様の穿孔を伴う潰瘍を認め,病理組織学的にはHodgkin's lymphoma,diffuse large cell typeであり,深達度se,リンパ節転移は認めなかった.また,免疫組織染色にてL-26陽性,UCHL-1陰性でB cell typeと診断された.術後は化学療法を行い,術後1年経過現在も明らかな再発徴候を認めていない
©Nankodo Co., Ltd., 2004