発行日 2005年11月1日
Published Date 2005/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006063267
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67歳女.発熱,左大腿部痛を主訴とした.血液一般検査所見にて炎症反応の亢進,貧血を認め,また腫瘍マーカーCEAが上昇していた.腹部CTにて,左腸腰筋前面から骨盤腔に,内部にガス像を伴う液体貯留または膿瘍を認めた.また下行結腸の腸間膜側に腫瘤形成を認め,下行結腸癌による左腸腰筋膿瘍を疑い緊急手術を施行した.術中,下行S状結腸移行部に結腸癌と思われる腫瘍を認め,腫瘍は腹壁に固定されており,大網,小腸,左卵巣が腫瘍と一塊となっていた.小腸・左卵巣・後腹膜合併切除を行い,Hartmann手術,膿瘍ドレナージ術を続けた.切除標本にて60×45mmの3型腫瘍を認め,病理組織像上,不整な腺管を形成して異型細胞が浸潤性に増生していた.第28病日より術後補助化学療法としてtegafur/uracil,folinate(UFT/LV)の投与を開始,6コース終了後UFT内服にて経過観察していたが,9ヵ月で再発を認めた.現在irinotecan/fluorouracil/levofolinateの3剤併用療法施行中で,2コース終了後にPRを得ている
©Nankodo Co., Ltd., 2005