症例
急激な消化管出血、ショックをきたした動脈腸管瘻の3例
石戸谷 俊太
1
,
中島 香織
,
藤本 弥臣
,
八巻 利弘
,
渡邊 尚史
,
高橋 康二
,
峯田 昌之
,
長沢 研一
1旭川医科大学 放射線医学講座
キーワード:
S状結腸疾患
,
回腸疾患
,
大腸内視鏡法
,
結腸切除
,
再手術
,
十二指腸疾患
,
術後合併症
,
腫瘍再発
,
消化管出血
,
ショック
,
大動脈疾患
,
腸骨動脈
,
腸瘻
,
肉腫
,
膀胱腫瘍
,
膀胱切除
,
卵巣腫瘍
,
大動脈瘤-腹部
,
致死的転帰
,
ステントグラフト内挿術
,
腹部CT
Keyword:
Aortic Diseases
,
Urinary Bladder Neoplasms
,
Colectomy
,
Duodenal Diseases
,
Colonoscopy
,
Gastrointestinal Hemorrhage
,
Iliac Artery
,
Ileal Diseases
,
Intestinal Fistula
,
Ovarian Neoplasms
,
Neoplasm Recurrence, Local
,
Reoperation
,
Postoperative Complications
,
Shock
,
Sigmoid Diseases
,
Sarcoma
,
Cystectomy
,
Aortic Aneurysm, Abdominal
,
Fatal Outcome
pp.445-451
発行日 2017年3月10日
Published Date 2017/3/10
DOI https://doi.org/10.18888/J01565.2017202875
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症例1は50歳代女で、下血を主訴とした。卵巣肉腫、肺・肝転移の治療中に多量の下血をきたし、腹部造影CTにて外腸骨動脈-回腸瘻と診断した。症例2は60歳代男で、下血を主訴とした。膀胱癌術後3週目に急激な下血から出血性ショックをきたし、腹部造影CTにて左外腸骨動脈-S状結腸瘻が疑われた。症例3は60歳代男で、心窩部痛を主訴とした。腹部大動脈瘤術後に腹痛、吐下血を認め、上部消化管内視鏡にて大動脈十二指腸瘻と診断した。全例、大出血の前にherald bleedingを認めており、症例1は造影CTにて造影剤の流入を確認できたが、症例2は造影剤の流入はみられず、血管造影で瘻孔を確認した。ショックに陥る急激な吐下血をみた場合には、消化管への明らかな造影剤の流出がみられなくても動脈腸管瘻の可能性を念頭に置き、画像診断を行うことが重要であると考えられた。

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