発行日 2001年7月1日
Published Date 2001/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2002007304
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43歳男.飲酒後に下痢が出現し,近医で止痢剤を処方された.以来便秘と共に嘔吐をきたし著者の病院に入院した.腹部単純X線で,小腸ガス像及びニボーがみられ,腸閉塞が疑われた為イレウスチューブを挿入し,絶飲食,高カロリー輸液を施行した.S状結腸癌による腸閉塞症を念頭において開腹術を施行した.術中,切除標本を開いてみると,S状結腸は部分的に狭窄し,狭窄部を中心に憩室が多発していた.憩室炎による腸管狭窄と診断し,S状結腸と直腸S状部との端々吻合で手術を終了した.病理組織学的には,粘膜下への炎症細胞浸潤とS状結腸の仮性憩室の所見が認められた.術後,再発もなく経過は良好である
©Nankodo Co., Ltd., 2001