発行日 2006年1月1日
Published Date 2006/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006093116
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42歳女.右乳房D領域の腫瘤を自覚した.急速に増大,皮膚潰瘍も認めたため,受診した.腫瘍が巨大でマンモグラフィは撮影できず,単純CTでは内部構造がほぼ均一な腫瘍を認めた.胸壁への浸潤傾向は認めなかった.また,CT,骨シンチ検査では他臓器への転移を疑わせる所見はなかった.生検組織所見で悪性細胞は認めず,良性の葉状腫瘍または線維腺腫と診断した.乳房全体を占める腫瘍で,単純乳房切除術を施行した.病理組織所見は,嚢胞内に葉状の増殖像を示す組織構築を認め,葉状構造を構成する間質部分とその表面を被覆する上皮部分からなる混合腫瘍であった.積極的に悪性を示唆する所見は認めなかった.良好であり第10病日に退院した.補助療法は行わず,現在再発なく,外来経過観察中である
©Nankodo Co., Ltd., 2006