発行日 2005年12月1日
Published Date 2005/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2006078614
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78歳男.下腹部痛を主訴とした.腹部超音波検査では,右下腹部の腸管にtarget sign,および球型でやや高エコーの腫瘍像を認めた.腹部CTでは回盲部の腸管拡張と多重輪状影を示し,内腔には球形腫瘤像がみられた.腫瘍に起因した回盲部腸重積の診断で開腹したところ,回腸は盲腸部に約20cm嵌入しており,その先端近傍には計5個の1型腫瘍が存在した.腫瘍を含めて回盲部切除術(D3)を行った.いずれの腫瘍もびまん性に増殖するリンパ腫細胞からなり,上行結腸粘膜にはfocal lymphoma nodulesを認め,multiple lymphomatous polyposisと診断した.また,リンパ腫細胞はCD20,CD79α,Bcl-20に陽性を,B細胞型かつCD3,CD5,CD10,cyclin-D1,Bcl-6には陰性を示し,diffuse large B cell lymphomaの性格がみられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005