発行日 2003年7月1日
Published Date 2003/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2003308843
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69歳女.下血を主訴とした.入院時,高度の貧血を認め,便潜血陽性であったが,上部・下部内視鏡では異常を認めなかった.小腸造影と腹部CT検査から上部空腸に壁外性に発育した4×3cm大の腫瘍を認め,小腸の部分切除を行った.摘出標本の病理学的診断では小腸平滑筋肉腫と考えられたが,免疫組織学的検査でCD34陽性,C-kit陽性からgastrointestinal stromal tumor(GIST) uncommitted typeと診断された.術後経過は良好で,術後約10ヵ月現在,下血と貧血は認めていない.出血原因不明の消化管出血ではGISTなどの小腸腫瘍を疑い,検査を進める必要があると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2003